記事一覧

UV対策の実際

紫外線を防ぐために活用したいのが、パウダーファンデーション。パウダーファンデーションの粉は紫外線を反射する効果を持つため、きちんと塗っていれば日常の紫外線なら十分カットしてくれます。頬骨のあたりは日焼けしやすいので、そこに少し厚めに塗るとよいでしょう。朝、パウダーファンデーションを塗り、日中は浮いた皮脂を脂とり紙でおさえ、その上からルースパウダーをはたきます。こうすれば、ファンデーションがくずれて日焼けしてしまうということもありませんし、一日中きれいな状態を保てます。リキッドファンデーションでもよいかという質問がよくありますが、リキッドファンデーションだと顔料(中に含まれる粉体)の密度が低いため、パウダーファンデーションよりもUVカット効果は下がります。

どうしてもリキッドを使いたい人は、リキッドを薄く塗った上からパウダーファンデーションを重ねるとよいでしょう。レジャーのときも、パウダーファンデーションを厚く塗っておけば大丈夫。スポーツで汗をかいてくずれそうなときや海に入るときは、ウォータープルーフのスポーツ用ファンデーションなどを使いましょう。ボディの日焼けは極力、衣類で防ぎます。UVジャケット、UV手袋、ストールなどを利用するとよいでしょう。朝出かける前に、デコルテや腕に日焼け止めをパパッと塗るという人もいますが、それだけではシミは防げません。

体は顔より皮膚が厚いため、ボディのシミは顔よりもできるタイミングは遅いことが多いのですが、一度できてしまうとなかなかとれません。美白化粧品などを塗っても、皮膚が厚いボディにはなかなか効きません。レーザー治療もありますが、顔に比べてボディのシミは治療が難しいのです(皮膚が厚く回復も遅いためです)。よって、ボディのシミはとにかく予防が大切。ボディのこととなると顔よりも油断している人が多いですが、実際シミができてしまうと案外気になるものです。しっかり衣類でガードして、自肌を守りましょう。女たるもの、暑いなどと言って根をあげていてはいけません。

正しい日焼け止めの使い方

SPF表示通りの効果を出すための、正しい日焼け止めの使い方をおさらいしてみましょう。まず使う量は、顔全体につけるとして、乳液タイプなら500円玉大、クリームタイプなら大きめの真珠粒二つ分くらいが一回分です。十分な量を手に取ったら、顔全体に伸ばしていきますが、意外にむらになりやすいものです。特にみけん、生え際に塗り残す人が多いようなので注意しましょう。また、日焼け止めのべたつき感を嫌ってすりこんでいるうちに、無意識に手でこすりとってしまう人も多いようですので気をつけましょう。手に取った日焼け止めは、均等に顔全体にのせていかないといけません。

額、ほほ、あごと数箇所にのせたら指でトントンと伸ばしていきましょう。指の第二関節くらいまでを使い、広げながらのせていくような感覚です。手のひらでこすったらとれてしまうので、手のひらは使いません。左官屋さんが、壁の下地などを塗っているところを見たことがありますか? あれと同様、「塗る」というよりは均一の厚さに「のせる」作業です。日焼け止めの塗り方がむらになっていても、気づいていない人が多いのです。日焼け止めを塗ったあとに、塗られた部分と塗られていない部分を特殊カメラで映し出す実験をしてみると、みけん、まぶた、生え際を塗り残す人が多く、また頬骨の高い部分は手でこすってとってしまうためにきちんと塗れていない人が多いのです。

その人その人のくせがあり、常に同じところを塗り残してしまう傾向があります。そのような塗りむらを避けるためには、前述のように手のひらを使わず指だけでのせていくことが必要になります。顔全体にのせ終わったら終了。レジャー用の日焼け止めクリームでも、メイク下地専用の日焼け止めでもBBクリームでも何でも、SPF表示のあるものはすべて、このように塗らないと数値通りの効果はでません。さらに、これで安心してはいけません。日焼け止めの多くは時間がたつと効果が下がるので、塗り直しが必要です。汗や水でくずれることもありますが、そうでなくても紫外線吸収剤は、紫外線を吸収すると同時に効果が下がっていくことが多いのです。

よって、ずっと屋外にいる場合は2時間おきの塗り直しが必要。室内で働いている人の場合でも、昼間に外出するならばその前に塗り直しが必要です。塗り直しの際も当然、同じ量を使います。このようにしてきっちり使うと、顔用の30gくらいの日焼け止めだと二週間程度で使い切る計算になります。しかし実際には、1本で一ケ月以上もつという人が多いのではないでしょうか。つまり多くの人が、規定の量をきちんと使えていないのです。しかし正しい使い方で毎日日焼け止めを塗ることは、現実的には難しいことです。問題点を挙げてみると

①規定量を全部塗ると、厚塗りになり、顔が白っぼくなったり重たく感じたりする。毛穴づまりやニキビの原因になることもある。

②多くの人がメイクしているので、昼間塗り直すことは難しい。

③塗り直しなども含めると、かなり時間がかかる。

④日焼け止めを毎日多量に塗ると、肌に負担をかけることが多い。

以上のことより、日焼け止めに頼って肌を紫外線から守ることは非常に難しいといえます。では、どうしたらよいか。顔はファンデーション、体は衣類で極力紫外線を防ぐのが、おすすめの方法です。

日焼け止めを過信することが、最大の落とし穴

フランスに行ったときのこと。丸ごと魚をオープンで焼いた料理をオーダーしたら、出てきたその料理を、とても愛想のよいウェイトレスが丁寧にほぐしてくれました。でも、日本人ほど魚に慣れていないのか、骨や皮をとるのに相当な時間がかかってしまい、結果は惨憺たるものでした。魚はすっかり冷め、骨ごと身がどけられてしまい、食べるところはほとんどなくなりました。彼女の愛嬌に負けて私たちは内心はらはらしながら笑顔でずっと彼女の作業を見守っていましたが、やはり想像通りの結果でした。料理でも何でも上手な人は、たいてい手早いものです。いつまでもこねくりまわしていると材料は劣化し、空気で酸化し、風味は損なわれます。手際よく仕上げるのが達人です。

スキンケアも同じ。コツがわかっている人は時間がかからず、結果も出せるものなのです。今までスキンケアに時間をさいてきた人は、5分で終わらせることに抵抗があるでしょう。罪悪感すらいだくかもしれません。でも、手でいじくって何もよいことはありません。魚や肉や野菜がいたむように、肌も手でさわるほどにいたみます。時間と結果は比例しません。「手をかけるほど、肌がこたえる」などという幻想は今すぐ頭から切り捨てましょう。自信を持って、スキンケアの時短にいどんでください。ただし過剰ケアの風潮がある日本女性にただひとつだけ、圧倒的に足りていないものがあります。

それは実は、基本中の基本である「紫外線対策」です。肌によいと思って手をかけることが、逆に肌をいためることがあります。あなたは過剰ケアになっていませんか? お気に入りの服を着れば着るほどいたむのと同様、さわればさわるほど、肌はいたんでいきます。特にクレンジンクは要注意です。スキンケアのツボさえ押さえれば、朝晩5分のケアで十分美肌になれるのです。紫外線の害については広く知られるようになり、日傘や日焼け止めは女性の必需品となりました。美容に関心の高い女性はみな、日々UV対策にはげんでいることでしょう。しかし、なかなかその努力も実らないことが多いのが悲しい現実。

実際、シミに悩んでレーザー治療などを受ける女性でも、「昔から日焼けには気をつけてきたのに、なぜこんなにシミが?」という人も多いのです。UV対策で女性が陥りやすい最大の落とし穴は実は、日焼け止めの「SPF表示」です。SPF50+までの数値が日焼け止めには表示されていますね。SPF35以上くらいのものになると「UV防止効果が強い」というイメージがあり、かなりの安心感を与えます。ところがそれが落とし穴。SPFの数値に頼ってしまうことで思わぬシミができてしまうのです。みなさんは、SPF表示の意味を正しく知っていますか?「日焼けするまでの時間を何倍に延ばせるかを示す数値」という回答では、点数をつけたとして40点くらいです。まずは、SPF表示の意味を正しく知りましょう。

女性たちは、なぜ過剰ケアをしてしまうか?

大半の女性が肌に対して過剰ケアをしており、それが肌をいため、老化を早めていることは繰り返し述べたとおりです。化粧水のつけすぎが乾燥を助長し、たたきすぎが刺激黒皮症を生み、こする刺激がシワを増やしているのです。今、自分がしているスキンケアについて、なぜそのケアをしているのか女性にたずねると、「ただ何となく」「いいって聞いたから」というお答えがほとんど。要するに自分で理解して、納得した上で行っているともいえないのです。大切なことであるわりに、なぜこのようにあいまいな根拠でケアを選択してしまうのかも不思議です。

もちろん、大事な肌だから少しでも手をかけて美しく保ちたいという女心が根底にあるのは確かです。また、「手をかけた」ということで安心してしまっている部分もあるのかもしれません。でも何事も、「やればよい」というものではないのです。女性心理がわからない男性から、むやみとプレゼントなどをもらってもうれしくはないですね。「なんでもいいから適当にあげとけば喜ぶだろう」と思われたら、それこそ心外です。女心をわかって、ツボをおさえたものを贈られたら、高価なものでなくてもうれしいものです。

肌も同じ。「高い美容液をつけておけばいいだろう」とか「とにかく化粧水でもたくさんつけておけばよいだろう」という適当な態度は、肌にとっては迷惑な話です。また「とりあえず手間をかけてケアをした」ということでいたずらに安心してしまうことも問題です。間違ったケアは、どれだけ時間やお金をかけても無意味であるどころか有害にすらなります。肌が何を必要としているのか。それを見極めて、ツボを押さえたものを肌に届けるのが、肌が喜ぶケアというものです。

クレンジングで肌を荒らさないために知るべきこと

過剰ケアの中でも、最も弊害が大きいのはクレンジングです。クレンジングをついやりすぎてしまう人は、メイクの色素が残ると肌に沈着してしまうなどという恐怖心を持っている人が多いよう。俗説に流されないために、正しい知識を持ちましょう。

①メイクの色素は肌に入らない
アイシャドウやマスカラが残ると色素が肌に沈着してまぶたが黒くなるとか、口紅をきちんと落とさないと唇が黒くなるなどと世間でよくいいますが、それは本当でしょうか。メイクアップ用品は基本的に、肌に浸透するように作られていません。メイクは肌に浸透すべきものではなく、肌表面にのって肌をカバーしたり色を出したりするものだからです。基本的に肌はほとんどのものを通しません。化粧品も、特に浸透するように設計されたもの(角層を通りやすい形に作られたものやナノ化されたものなど)以外は浸透しないのです。色素の粒子も大きく肌に入ることはないので、浸透して色がついてしまうことを心配する必要はありません。メイクアップ化粧品がもし仮に肌に浸透するとしたら、その現象は昼間にも起こるでしょう。朝メイクして外出して、夜帰宅したらまぶたが紫に染まっていたなどということはないはずです。

②メイクが肌に多少残っても、大きな害はない
では、きちんとクレンジングせずにメイクが肌に残ってもよいのでしょうか。結論からいうと、さほど悪いとはいえません。もともとメイクは長時間肌につけているものです。昼間十時間以上つけているものが、夜のクレンジングのときに100%落ちなかったからといって大差ないといえば大差ないのです。もちろんまったくクレンジングも洗顔もしないで寝てしまえば、皮脂が酸化されて肌荒れの原因になりますし、ファンデーションが毛穴につまってニキビができるということもあるでしょう。やはり適切なクレンジングと洗顔は必要です。ただし、落ちにくいアイラインやマスカラを完壁に落とすために何度もコットンでこするなどはやめるべきです。こすることでかえって肌が黒ずんでしまうので、ほどほどにしておきましょう。

③落とすときの肌への負担も考えて
肌のためには、落とすときのことを考えてメイクするという姿勢も大事でしょう。落ちにくいのは毛穴をカバーする下地、リキッドアイライン、にじみやすいマスカラなどです。マスカラの場合、ウォータープルーフのものが落ちにくいと思う人が多いようですが、汗や涙でにじまないものとクレンジングのときに落としにくいものは違います。クレンジング料をつけると溶けてにじんでくるものが、一番厄介です。こすればこするほどパンダのように広がってしまい、何度もコットンでふきとるなどという羽目になります。固まってばらっと落ちるもののほうがよいでしょう。もちろんメイクのこだわりもあるでしょうから、それらのアイテムを一切使ってはいけないとは申しません。たまに使うくらいは大丈夫です。

④肌に残ったメイクが、肌の再生をさまたげることはない
もうひとつ、きちんとクレンジングをしないと肌の再生をさまたげるという話がありますが、これは本当でしょうか。寝ている間に肌は再生されるから、きちんとメイクを落として肌をクリーンにしておかないと美肌が生まれないという、一見もっともな話に聞こえますが、実はこれも間違い、というかむしろ真実は逆です。肌は、表皮の奥の基底層で生まれます。表面の角質層にものが(メイクなどが)のっていても、それが基底層に触れているわけではないので直接影響はしません。毛先にワックスをつけて寝たら、髪が伸びることをさまたげるでしょうか。毛根には直接影響しないから、さまたげにはならないですね。肌もそれと同じです。上手な料理を作るためには、まず道具をきれいに洗ってそろえましょうなどとよくいいますね。それは真実かもしれませんが、肌はそれとは違うのです。しっかり洗ったから美肌を生み出せるというものではないのです。美しい肌を生み出すために必要なのは、上にのっているメイクを完壁にどけることではなく、まずは規則正しい睡眠です。次にバランスよい食事。肌は体の中から生まれてくるので、そういう内面的なことのほうが大事です。外的なことについていえば、肌表面の角質が乱れていると、つまり肌荒れを起こしていると美肌の再生が邪魔されることはあります。角質をすこやかに整えるためには、むしろクレンジングをしすぎないほうがよいのです。クレンジングのやりすぎで角質のうるおいまで溶かして奪ってしまっている人が多いことはすでに述べたとおりです。角質が乱れると、肌全体が炎症を起こして肌の再生が妨げられてしまいます。「しっかりメイクを落とすことが美肌を生み出す第一歩」という格言は真実とは逆であるというのは、そういう意味です。