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運動と肌代謝

女性にとって重要な肌。その肌も、運動と無関係ではありません。
以下に運動と肌の関係を挙げてみます。

①成長ホルモン
成長ホルモンは体内の代謝を高め、若さを保つ重要なホルモン。運動すると成長ホルモンの分泌が高まり、肌の代謝もアップします。最近肌がくすんで元気がないみたい、という人は運動不足を疑ってみましょう。表皮の代謝(ターンオーバー)は約4週間かけて行われていますが、年齢とともに代謝速度は遅くなり、40代に入ると6週間かかるといわれます。この結果、肌はくすみ、ニキビや虫刺されなどの出来物が治りにくくなったり痕が残ったりということにもつながります。ターンオーバーを高めるために定期的な運動を心がけましょう。成長ホルモンを効果的に分泌させるには15分程度の強めの運動を行い、その後休息をとるとよいといわれます。

②血行促進
運動は血行を促進するので、さらに肌への効果が期待できます。血液の流れは年齢とともにとどこおりがち。肌代謝が下がってしまうのです。最近ニキビなどのできものができると治らない、シミになって残る、肌がくすむ、化粧のりが悪く肌がさえない、などという人は肌の代謝が下がっているのかもしれません。体を動かせば、肌のすみずみまで酸素がいきわたり、肌の代謝もアップします。

運動不足の影響

運動不足の女性が目立ちます。真剣に減量している人以外は、運動の必要性を感じない人が多いようです。オフィスではずっとパソコンに向かい、歩くのは通勤だけという生活がずっと続いているようでは、深刻な運動不足といえます。運動の効能はやせるだけではありません。美容のため健康のために、太っていなくても運動は必要です。運動不足の影響を、以下に挙げてみます。太りやすくなる(カロリー消費だけでなく、運動不足で筋肉が衰え、基礎代謝が下がるため)。冷え性になる(運動不足だと血行不良になる)。むくみやすくなる(同じくリンパの流れが悪くなるため)。疲れやすくなる(基礎代謝と血行が低下するため)。

骨粗しょう症になる(運動しないと、摂ったカルシウムが骨につかない)便秘になる(運動しないと腸の動きがにぶるのと、腹筋が衰えて内臓下垂になるため)。病気になりやすくなる(運動不足だと免疫が低下する)。イライラ、不眠、落ち込み(運動には精神を安定させ気持ちを前向きにする作用がある)。肌の代謝が下がってくすみやクマが現れる。肌老化が進む(運動不足だと成長ホルモンの分泌が低下する)。

運動不足によってもたらされる不調は、運動することによってしか解消されません。当たり前のことですが、サプリメントやマッサージや入浴など、別の方法で運動を代償することはできません。食べて、寝て、動く。これが動物としての人間が生きるために、必要な三つの柱です。それをないがしろにして美しさと健康を保つことは困難です。わかっていても実行できない人のために、運動についてもう少し詳しく、科学的に考えてみましょう。

美白コスメはなぜかぶれやすいか

美白コスメによる肌トラブルは比較的多いものです。特に肌が敏感な人では、美白コスメを使ったあとに赤みやかゆみが出るなどのいわゆる「化粧品かぶれ」が見られることが時々あります。美白コスメだけでなく、アンチエイジングつまりシミやシワを防ぐ化粧品全般、他のスキンケア用品に比べるとトラブルになる率は若干高いといえます。それはなぜか。アンチエイジングは肌の自然の摂理に逆らうものだからです。紫外線が当たってシミができる、加齢によってシワができる、そういう自然の流れに逆らって肌を変えようとすることは、肌に負担がかかるのです。例えば美白コスメは、メラニンを作り出す酵素を邪魔します。

肌の中で自然に働いている酵素を阻害するわけですから、負担になるのは当然です。シワ予防コスメは、老化してコラーゲンを作る力が衰えた線維芽細胞に無理やりコラーゲンを作らせようとするのですから、肌にとっては迷惑な話です。これに対しアンチエイジング以外の通常のスキンケア、つまり洗顔や保湿美容液などは肌の働きをサポートするものなので、正しく行えば負担にならずむしろ肌を健康に保つことができます。このようにアンチエイジングはスキンケアの中では特殊な位置づけにあり、ある意味無理なことをしようとしているのだという認識は、頭に置いておきましょう。ある意味無理であり、ある意味無駄である。

そもそも美容とはそういうものですが、でも誰に迷惑をかけるわけでもないので、美しくなる努力をすることは、悪いことともいえないでしょう。無理な願いが少しでもかなえば、女性はとてもハッピーになれます。無理な願いをかなえるためには、そのリスクは自分で負うべきです。絶対にかぶれないアンチエイジングコスメなどは、もちろんありません。またレーザーなどの美容医療にしてもリスクゼロということはありません。美白コスメにかぶれて「こういうものって、使わないほうがよいのでしょうか」と言う人がいますが、美白コスメがすべて悪いともいえません。悪いのではなく「合う合わない」の問題です。ものによってはかぶれることもあるので、かぶれたら別のを試してみればよいのです。かぶれてもあくなきチャレンジを続けて、最後に美肌をゲットした人も皮膚科医としてたくさん見てきました。

きれいになるためならば、ある程度のリスクを許容できる。そういう人でないと、アンチエイジング道は目指せないのです。ただしリスクがあるものだからこそ、人任せはいけません。美白にせよシワ予防にせよ、アンチエイジングケアは自分で理解して自分で選ぶべきです。「すすめられるままにコスメを買って、なんだかよくわからなかったけれど使ってみたらかぶれた」などというケースがありますが、そういうことは避けたいものです。日焼け止めは、正しい量を使い、数時間おきに塗り直さないと、表示されているような効果は得られません。日焼け止めだけでシミを防くことは因難なので、顔はファンデーションを活用し、ボディーは衣服でカバーしましょう。∪∨対策のためにどこまで努力できるか。それが将来の美肌を決める最大のカギです。

シミ対策、美白コスメとは

シミといえばやはり、美白コスメを思い浮かべる人が多いでしょう。シミができても、薄いものは美白コスメで消えるのでしょうか。実は、そうとはいえません。美白コスメは漂白剤ではないので、シミを白くしてくれるものではないのです。では、美白コスメとは何でしょう。美白コスメつまり美白成分とは、肌の中でメラニンが作られる過程を邪魔するものです。紫外線を受けてからメラニンができるまでのステップの、どこかを邪魔するのが美白成分。つまり、シミを消すというよりはシミの予防をしてくれるのが美白コスメです。

「予防っていうことは、できたものは消えないの?」と、がっかりする人もいるかもしれません。でも、予防ほど大事なものはないのです。風邪だって、ひいてしまってから風邪薬を飲むよりも、ひかないようにマスクや手洗いで予防するほうが賢いに決まっています。優秀な風邪薬があればマスクをしなくてもよいと考える人はいないでしょう。予防ですから、美白コスメはシミの部分にだけ塗るのでなく全体的に塗りましょう。またもちろん、春夏だけでなく年間とおして使うことが必要です。顔全体、特にほほ骨の高い部分にシミができやすいのでこの辺りにしっかりと塗ることが大切です。

美白コスメを選ぶ場合、顔全体に使うことを考えてテクスチャーの重過ぎないものを選びましょう。クリームなどよりも美容液のほうがベターです。もちろん成分も重要です。以下に代表的な美白成分を挙げておきます。この中でどれが効くかという質問がよくありますが、それは一概にいえません。使う人との相性もあるし、また、同じ成分でも商品によって濃度や基剤など違いがあるからです。自分で研究して肌で試して、これと思うものを長く使うことが大事です。

日焼けしたあとのケアは、どうしたらよいか

「あとの祭り」という言葉がありますが、まさに日焼け後のケアはあとの祭り。焼いた肌を元に戻す手段はありません。よく「アフターサンケア」などとうたうジェルやクリームなどがありますが、米国ではその言葉自体があまり適切でないという意見もあります。アフターサンケアという言葉は、焼いた後でも肌を元に戻せるかのような誤解を与えるからというのがその理由です。紫外線で変化した肌を元に戻すというのは、天日干しにした干物を生の魚に戻すのと同じくらい無理な相談です。焼いたあとにビタミンCを飲んだり美白化粧水をつけたりしても、肌の中にできた「シミのもと」をなくすことはできません。

肌は焼かないのが原則です。では、焼かないつもりでいたのにうっかり日焼けしてしまった場合は、どうしたらよいでしょう。ひりひり感がなければ、肌のお手入れは通常どおりで大丈夫です。洗顔して化粧水、美容液など普段と同じに使います。日焼け後は若干乾燥しやすくなることがあるので、保湿美容液を多めに使うとよいでしょう。ひりひりするほどの日焼けであれば、まず冷やします。またお手入れをシンプルにすることが大事。敏感肌用の保湿クリームなどを塗って、おさまるまではあたりさわりのないケアをします。落ち着いてきたら少しずつ普段のケアに戻していきます。

ただしここに挙げたのは、日焼けした肌の乾燥やひりつきを防ぐためのケアであって、シミを防ぐものではありません。前述したように、シミができるかどうかは日焼けした時点ですでに決まっており、過度の日焼けをしてしまえばシミはどうしても残ります。「来週沖縄に行くので、『どうしても』焼けてしまうと思うんですね。焼けてしまったときって、どうしたらよいですか?」という質問がよくありますが、焼いたあとでどうするかという神だのみ的な発想をする前に「どうしても」焼けてしまうという前提をまず見直すべきです。「どうしても」焼けてしまうということはありません。焼けたと感じるほど焼けることはないはずです。

それほどの完全防備はできないという人は、ある程度の日焼けは避けられないので、お肌の時計が進んでしまってもそれはバカンスの代償として受け入れることになります。よく、焼けてしまってから慌てて皮膚科に飛び込んできて、「シミを作りたくないから薬がほしい」という人がいますが、医療は万能ではありません。乙女の願いをすべてかなえられるわけではないのです。美肌カクテルなどと称してビタミン剤の点滴をする病院もありますが、点滴で入れたビタミンの大半は数時間で排泄されてしまうので、気休めのようなものです。輝く太陽は美しく、明るい日差しは人の心をうきうきさせますが、見えないところで肌をむしばむという残酷な一面も持ち合わせているのです。