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クレンジングで肌を荒らさないために知るべきこと

過剰ケアの中でも、最も弊害が大きいのはクレンジングです。クレンジングをついやりすぎてしまう人は、メイクの色素が残ると肌に沈着してしまうなどという恐怖心を持っている人が多いよう。俗説に流されないために、正しい知識を持ちましょう。

①メイクの色素は肌に入らない
アイシャドウやマスカラが残ると色素が肌に沈着してまぶたが黒くなるとか、口紅をきちんと落とさないと唇が黒くなるなどと世間でよくいいますが、それは本当でしょうか。メイクアップ用品は基本的に、肌に浸透するように作られていません。メイクは肌に浸透すべきものではなく、肌表面にのって肌をカバーしたり色を出したりするものだからです。基本的に肌はほとんどのものを通しません。化粧品も、特に浸透するように設計されたもの(角層を通りやすい形に作られたものやナノ化されたものなど)以外は浸透しないのです。色素の粒子も大きく肌に入ることはないので、浸透して色がついてしまうことを心配する必要はありません。メイクアップ化粧品がもし仮に肌に浸透するとしたら、その現象は昼間にも起こるでしょう。朝メイクして外出して、夜帰宅したらまぶたが紫に染まっていたなどということはないはずです。

②メイクが肌に多少残っても、大きな害はない
では、きちんとクレンジングせずにメイクが肌に残ってもよいのでしょうか。結論からいうと、さほど悪いとはいえません。もともとメイクは長時間肌につけているものです。昼間十時間以上つけているものが、夜のクレンジングのときに100%落ちなかったからといって大差ないといえば大差ないのです。もちろんまったくクレンジングも洗顔もしないで寝てしまえば、皮脂が酸化されて肌荒れの原因になりますし、ファンデーションが毛穴につまってニキビができるということもあるでしょう。やはり適切なクレンジングと洗顔は必要です。ただし、落ちにくいアイラインやマスカラを完壁に落とすために何度もコットンでこするなどはやめるべきです。こすることでかえって肌が黒ずんでしまうので、ほどほどにしておきましょう。

③落とすときの肌への負担も考えて
肌のためには、落とすときのことを考えてメイクするという姿勢も大事でしょう。落ちにくいのは毛穴をカバーする下地、リキッドアイライン、にじみやすいマスカラなどです。マスカラの場合、ウォータープルーフのものが落ちにくいと思う人が多いようですが、汗や涙でにじまないものとクレンジングのときに落としにくいものは違います。クレンジング料をつけると溶けてにじんでくるものが、一番厄介です。こすればこするほどパンダのように広がってしまい、何度もコットンでふきとるなどという羽目になります。固まってばらっと落ちるもののほうがよいでしょう。もちろんメイクのこだわりもあるでしょうから、それらのアイテムを一切使ってはいけないとは申しません。たまに使うくらいは大丈夫です。

④肌に残ったメイクが、肌の再生をさまたげることはない
もうひとつ、きちんとクレンジングをしないと肌の再生をさまたげるという話がありますが、これは本当でしょうか。寝ている間に肌は再生されるから、きちんとメイクを落として肌をクリーンにしておかないと美肌が生まれないという、一見もっともな話に聞こえますが、実はこれも間違い、というかむしろ真実は逆です。肌は、表皮の奥の基底層で生まれます。表面の角質層にものが(メイクなどが)のっていても、それが基底層に触れているわけではないので直接影響はしません。毛先にワックスをつけて寝たら、髪が伸びることをさまたげるでしょうか。毛根には直接影響しないから、さまたげにはならないですね。肌もそれと同じです。上手な料理を作るためには、まず道具をきれいに洗ってそろえましょうなどとよくいいますね。それは真実かもしれませんが、肌はそれとは違うのです。しっかり洗ったから美肌を生み出せるというものではないのです。美しい肌を生み出すために必要なのは、上にのっているメイクを完壁にどけることではなく、まずは規則正しい睡眠です。次にバランスよい食事。肌は体の中から生まれてくるので、そういう内面的なことのほうが大事です。外的なことについていえば、肌表面の角質が乱れていると、つまり肌荒れを起こしていると美肌の再生が邪魔されることはあります。角質をすこやかに整えるためには、むしろクレンジングをしすぎないほうがよいのです。クレンジングのやりすぎで角質のうるおいまで溶かして奪ってしまっている人が多いことはすでに述べたとおりです。角質が乱れると、肌全体が炎症を起こして肌の再生が妨げられてしまいます。「しっかりメイクを落とすことが美肌を生み出す第一歩」という格言は真実とは逆であるというのは、そういう意味です。